以前、出張経費精算の領収書取得リンク集という記事を書きました。各サービスの領収書ページをブックマークして、毎月ひとつひとつ開いて取得していく——これが従来のやり方でした。
ただ、「どこで取るか」がわかっていても、実際に取得してファイル名を整えて保存するまでの作業は地味に時間がかかります。特にEX-ICの領収書を1件ずつ開いて宛名を入力してPDF保存して……を繰り返すのは、なんともしんどい。
そこで最近は、このデータ収集作業そのものをClaudeに任せるようにしました。この記事では、私が実際に使っているやり方と、それを9つのサービスに拡張してひとつのスキルでまとめて実行する方法を紹介します。
やっていること、ざっくり言うと
Claude(Max・Teamプラン)には「スキル」という仕組みがあり、繰り返し使う手順を登録しておけます。私は以下の9サービスを毎月の精算業務に使っています。
EX-IC領収書:「先月分全部」を指示ひとつで
EX予約の「ご利用履歴・領収書の発行」ページを開いて、1件ずつ宛名を入力してPDF保存して、ファイル名を決めて……というのが以前のやり方でした。今はClaudeのブラウザ操作機能とスキルを組み合わせて、「先月分の領収書を全部取得して」と頼むだけで以下が自動でされます。
- EX予約のご利用履歴ページを開く
- 対象月の利用分を特定する
- 宛名(会社名)を入力してPDF発行
- ファイル名を
YYYYMMDD_exic.pdf形式に統一して保存
ファイル名の命名規則はスキルに登録してあるので、毎回指定しなくても同じフォーマットで出てきます。保存先フォルダ(マイドキュメント内の Travel Expense)まで指定ずみなので、取得したらそのまま精算に使える状態になっています。複数回出張した月でも、「まとめて全部」を1回の指示でやってもらえるのが地味に大きいです。
えきねっと:在来線・特急チケット分もまとめて取得
JR東日本の「えきねっと」で購入した新幹線・特急チケットの領収書も、Claudeに任せています。えきねっとの領収書は「ご購入履歴」から1件ずつPDF発行する仕組みで、複数枚あると意外と手間がかかります。
- えきねっとにサインインして購入履歴を開く
- 対象月の購入分を特定し、宛名(会社名)を入力してPDF発行
- ファイル名を
YYYYMMDD_ekinet.pdf形式で統一して保存
モバイルSuica:公共交通機関だけ抽出してExcelに追記
モバイルSuicaは電車・バス以外にも、コンビニや自販機などの物販利用が混在しています。精算に使えるのは公共交通機関の分だけなので、毎月「使えるもの」だけを手で選り分けるのが手間でした。
Claudeには「先月のSuica利用履歴を整理して」と頼むと、以下をやってもらっています。
- モバイルSuicaのサイトにアクセスして利用履歴を取得
- 物販・チャージ・0円の行を除外して公共交通機関分だけ抽出
- 日付・利用区間・金額を整形し、
SuicaHistory.xlsxに当月シートとして追記
このExcelファイルが精算書の提出物になります。毎月同じファイルに追記していく形なので、年度を通じた履歴も一つにまとまっていきます。除外ルール(物販・チャージ・0円)はスキルに定義してあるので、私が都度判断する必要はありません。「やっといて」で終わりです。
GOタクシー:アプリの乗車履歴をPDFで自動保存
タクシーはGOアプリを使っています。GOは利用後にアプリ内で領収書が発行されるので、毎月の処理はClaudeのブラウザ操作で行っています。
- GOのWEBサービス(会員ページ)にサインインして乗車履歴を開く
- 対象月の乗車分を確認し、各領収書をPDFとして保存
- ファイル名は
YYYYMMDD_go_taxi.pdfで統一
じゃらんnet:宿泊領収書を月次で一括取得
宿泊予約はじゃらんnetを使うことが多いです。領収書はマイページの「予約履歴・領収書」から発行できますが、複数宿泊がある月はひとつひとつ開くのが地味に手間でした。
- じゃらんnetにサインインして予約・利用履歴を開く
- 対象月の宿泊済み予約を抽出
- 各領収書を
YYYYMMDD_jalan.pdf形式でPDF保存
発行済み領収書が一か月分フォルダに揃った状態になるので、精算書への添付もスムーズです。
アパホテル:会員サイトから宿泊領収書を自動取得
アパホテルはアパ直(公式サイト)で予約しています。会員ページの「ご利用履歴」から領収書をPDF発行できますが、こちらもClaudeに自動化させています。
- アパホテル会員サイトにサインインしてご利用履歴を開く
- 対象月の宿泊分を特定し、領収書をPDF発行
YYYYMMDD_apa.pdfで保存
ANA:eチケット控えとマイページを使い分け
飛行機はANA(全日空)を使っています。航空券の領収書は「eチケットお客様控え」として予約時のメールに添付されているケースが多いですが、精算に必要な書類はその月の出張内容によって変わります。
- ANA公式サイト(マイページ)にサインインして予約・搭乗履歴を確認
- 対象月の搭乗済みフライトを特定し、領収書(eチケット控え)を
YYYYMMDD_ana.pdf形式でPDF保存 - カード払い分は別途カード明細と突合(スキルに明記しておくとClaudeが補足してくれる)
LCC(ジェットスター・ピーチ):Gmailに届くメール領収書を自動収集
ジェットスターやピーチなどのLCC(格安航空会社)は、搭乗後に領収書がメールで届くのが特徴です。ANAやJALのようにマイページから都度取得するのではなく、予約確認メールや搭乗後の明細メールがGmailに自動で蓄積されます。
この特性を活かすと、Claudeに「先月のLCC領収書をGmailから集めて」と頼むだけで以下が自動でできます。
- GmailをブラウザまたはGmail API経由でサインイン
- ジェットスター・ピーチ等の送信元ドメインで対象月のメールを検索(例:
from:jetstar.com、from:flypeach.com) - 領収書・支払い明細のメール本文またはPDF添付ファイルを特定
- PDFが添付されている場合はダウンロード、HTML形式の場合はPDF変換して保存
- ファイル名を
YYYYMMDD_jetstar.pdf/YYYYMMDD_peach.pdf形式で統一して保存
精算/LCC に自動振り分けしておくと、Claudeがメール検索をより確実に行えます。スキルにラベル名を登録しておけば、「先月のLCC領収書」という一言だけで動き出します。
タイムズレンタカー:会員サイトから利用明細をPDF保存
出張先でのレンタカーはタイムズカーを使っています。会員サイト「タイムズクラブ」の予約・利用履歴から利用明細(領収書)を発行できますが、複数回利用した月は取得が地味に面倒です。
- タイムズクラブの会員サイトにサインインして利用履歴を開く
- 対象月の利用分を特定し、領収書(利用明細)をPDF発行
- ファイル名を
YYYYMMDD_times.pdf形式で統一して保存
ひとつのスキルで全部まとめて実行する
ここまで個別のスキルとして説明しましたが、私が実際に毎月やっているのは、これらを「月次経費精算スキル」として1つにまとめて呼び出す方法です。
Claudeに「先月分の経費精算を全部やって」と言うだけで、以下がまとめて処理されます。
- EX-IC領収書(JR東海 EX予約)の取得・保存
- えきねっと領収書(JR東日本)の取得・保存
- モバイルSuica利用履歴の抽出とExcel追記
- GOタクシー領収書の取得・保存
- じゃらん宿泊領収書の取得・保存
- アパホテル領収書の取得・保存
- ANA航空券控えの取得・保存
- LCC(ジェットスター・ピーチ等)メール領収書のGmailからの収集・保存
- タイムズレンタカー利用明細の取得・保存
- 全ファイルを
Travel Expense/YYYY-MM/フォルダに整理
統合スキルの作り方
スキルの登録方法はシンプルです。Claude(Max・Teamプラン)のスキル管理画面で「新しいスキルを作って」と依頼するだけです。
私が渡したのはこんな内容です。
「毎月月末に経費精算をする。EX-IC・えきねっと・Suica・GOタクシー・じゃらん・アパホテル・ANA・ジェットスター/ピーチ(Gmail)・タイムズレンタカーの領収書をまとめて取得して、マイドキュメント内の Travel Expense/YYYY-MM/ フォルダに保存するスキルを作って。ファイル名は YYYYMMDD_サービス名.pdf 形式で統一。宛名はすべて〇〇株式会社。LCC分はGmailのラベル 精算/LCC から対象月のものを取得。タイムズは返却翌日以降に取得。」
これだけでClaudeが手順書(スキル)を生成してくれます。各サービスのログイン済みブラウザをChromeで開いた状態でClaudeを使えば、サインイン操作もスキップできます。
スキルとして登録しておくメリット
どの作業も、Claudeに対して毎回細かく指示を出すのではなく、手順・ルール・保存先をスキルに登録してあるのがポイントです。
まとめ
出張精算の「データを集める」部分は、手順さえ決まっていれば人間がやらなくてもいい作業です。Claudeにスキルとして登録しておけば、毎月の繰り返しをほぼ自動化できます。
最初に統合スキルを作るのに30分程度かかりましたが、毎月の作業が「一言頼む→コーヒー飲む→完成」になりました。精算業務は内容が毎月ほぼ同じなので、一度スキル化してしまえば本当に何もしなくてよくなります。
「自分でやれなくはないけど、やるたびに微妙に時間がかかる」という作業こそ、Claudeを使ってみる価値があると思っています。精算業務に限らず、属人化しがちなルーティンを少しずつ委ねていくのが、私の最近のClaudeの使い方です。